男と女の「おかしな!?」ハナシ
やわらかな発想で「自分らしさ」を考える男女共同参画
あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。
やわらかな発想で自分らしく
今回のつぶやき主は、ユリカさん。
毎週日曜日に通っている絵画サークルの帰りに、
年代の違う教室の仲間と話をしています。
ユリカ:うちの職場ね、今の支店長に代わってから
女性も管理職になれるようになったのよ。
以前は「女性は能力が低い」って言われ、チャンスさえ与えられなかったのに。
私もガゼンやる気が出てきたわ。
チカ :そういえば最近ユリカさん、顔が輝いていますよね。
うちの父も転職をしてから、家族と一緒に晩御飯を食べることができるようになったんですよ。
お給料は下がったみたいだけど、日曜日は時間ができたから料理にもチャレンジもするようになったし、
すごく家庭の雰囲気が良くなって、うれしいんです。
シゲジ:私の住んでいる地域では、今年から女性の方が自治会長になったんです。
「会長は男性でないと無理」と言ってた長老もいたけれど、
皆が活発に意見を出し合える雰囲気に変わって、とても心地良くなりました。
ユリカ:これまで「男性でないとダメ」「女性でないと無理」なんて
決めつけられていたイメージから抜け出して、
やわらかな発想でそれぞれが自分らしく行動すれば、
社会は結構スムーズになるのかもね。
チカ :それって、「男女共同参画」って言うんでしょ?
6月29日まで「男女共同参画週間」って、ポスターで見ましたよ。
ユリカ:あれっ、よく気づいたわね!
シゲジ:「ダンジョキョウドウサンカク」?
舌をかみそうですね。
堅さから抜け出す考え方なのに、その言葉自体、すごく堅くないですか?(笑)
◆シゲジのつぶやき・・・
絵画サークルは、いろんな年代の人がいて、おしゃべりの時間も楽しく、勉強になりますね。
退職後も昔の肩書きにすがり、横の関係を苦手とするおエライさんもいるけれど、本当にもったいないことですよ。
◆ユリカのつぶやき・・・
シゲジさんの「舌をかみそう」という感想、ごもっともよね。
男は○○すべき、女は○○すべきという「性別役割分業」に囚われず、それぞれが「私らしく」生きるために、やわらかな発想を持とうというのが「男女共同参画」なのに、その言葉からくるイメージはカタくて融通がきかなさそう(笑)。
◆チカのつぶやき・・・
「男女共同参画」をすすめる人たちって、「こうあらねば!」という堅苦しさがあり、どうも苦手だったけれど、ユリカさんの話だと、やわらかな発想で「自分らしさ」を考えるってことみたい。
6月の男女共同参画週間は、あちこちでユニークなイベントをやっているから、行ってみようかなぁ。
※6月の伊丹市のユニークなイベント
【
笑って元気になる教室】2014年6月22日(日)13:30~15:00
講師:鈴鹿照さん(元宝塚歌劇団)参加費:500円(飲み物・お菓子付き)
伊丹市立女性・児童センター:072-772-1078
【
熟年夫婦の夫ゴコロ妻ゴコロ】2014年6月28日(日)14:00~16:00
講師:今井小の実さん(関西学院大学人間福祉学部教授)参加費:300円
ラスタホール:072-781-8877
【ミニ知識】
「火事場」じゃないヨ!「家事場のパパヂカラ」
内閣府では平成13年度より、毎年「男女共同参画週間のキャッチフレーズ」を募集している。
第14回目となる平成26年度の募集テーマは「男性がもっと家事・育児・介護・地域活動に関わりたくなるようなキャッチフレーズ」で、応募総数3,651点の中から最優秀作品に選ばれたのは、野田学園(山口県)平成25年度4年C組の皆さんの「家事場のパパヂカラ」。
キャッチフレーズは、全国の地方公共団体、女性団体、その他の関係団体の啓発ポスターやホームページ等に使用され、6月23~29日の「男女共同参画週間」中に男女共同参画担当大臣から表彰される予定。
横からちょっと言わせて
専業主婦もパートも経験した
関西学院大学人間福祉学部教授
今井小の実さん
この春、ティズニーのアニメ映画「アナと雪の女王」が大ヒットしました。
その人気の秘密は色々考えられますが、大衆を惹きつけた最も大きな魅力が主題歌「Let it go」にあることは誰も否定できないでしょう。
そのタイトルでもあり、キャッチーなフレーズ、いわゆる“レリゴ-”は、「ありのままで」と日本語では訳されています(もっとも日本語版歌詞は文脈によって少しずつ訳し方を変えています)。
でも英語に慣れ親しんでいる方には、この訳は違和感があるようです。
というのもこの表現には「もうどうでもいい」「諦めるしかない」というようなネガティブなニュアンスが含まれているからです。
確かにこの曲は、自分ではコントロールできない魔力(触れたものを凍らせ、周囲を雪と氷の世界に変えてしまう力)を持つ王女エルサが、誰も傷つけないために王国を出て自分で創りだした氷の城にこもると決意した場面で歌われています。
今まで本当の自分を隠し続け妹アナも遠ざけてきた姉エルサが、戴冠式でその正体を人々に知られたことで、「もうどうでもいい」と一種の開き直りをし、社会との関係を断ち切る決意をした心情を表現しているのです。
一方、日本語訳「ありのままで」という言葉には、今の自分をポジティブに受け入れるというニュアンスがあります。
そして本来の意味とは離れた訳語とはいえ、私はこの表現の方が好きです。
「ありのまま」の自分を受け入れ、肯定的に生きていく・・・という姿勢に心を打たれるからです。
男女共同参画社会とは、男性や女性が、その生物学的な性差ゆえに、社会的規範によって本来の自分を隠し、生き方を縛られるのではなく、「ありのまま」に自分らしく生きていける社会だと思います。
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